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コーポレート用語集

IR

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IR（Investor Relations）とは、企業が株主や投資家に向けて自社の経営状況や財務情報、戦略を適切に伝えるための活動を指します。その目的は、企業価値への理解を促し、長期的な信頼関係を構築することです。具体的な活動には、決算説明会の開催、プレスリリースや財務報告書の発行、投資家向けイベントの実施などがあります。適切なIR活動は、企業の透明性を高め、株価の安定や資金調達の円滑化に寄与します。また、近年ではESG（環境・社会・ガバナンス）情報の開示も重視され、投資家との対話がより重要となっています。

そんな「IR」に携わる方が知っておきたいIR用語を本ページでご紹介いたします。

  • IRオフィサー アイアールオフィサー

    企業のIR活動を統括し、株主や投資家とのコミュニケーションを担当する役職です。企業の経営情報や財務データ、戦略を適切に伝えることで、投資家の信頼を築き、企業価値の向上を目指します。具体的な業務には、決算説明会の企画運営、アニュアルリポートやIR資料の作成、投資家からの問い合わせ対応、機関投資家やアナリストとの対話が含まれます。企業経営や金融に関する深い知識だけでなく、高いコミュニケーション能力と戦略的思考が求められます。また、近年ではESG情報の発信やサステナビリティに関する対話も重要な役割の一つとなっています。

  • IR行動憲章 アイアールコウドウケンショウ

    企業が適切で透明性の高いIR活動を行うための基本方針や行動規範を定めた指針です。株主や投資家との信頼関係を築くことを目的とし、公正な情報開示、誠実なコミュニケーション、長期的な企業価値の向上に努める姿勢を示します。この憲章では、法令遵守、財務および非財務情報の正確かつタイムリーな提供、全ての投資家に対する平等な情報提供などが明記されることが一般的です。これを掲げることで、企業は投資家に対して誠実な姿勢を示し、市場からの信頼を強化し、持続可能な成長を目指す姿勢を明確に伝えることができます。

  • IR支援会社 アイアールシエンガイシャ

    企業のIR活動を専門的にサポートするサービス提供会社のことです。主な業務には、IR資料やアニュアルレポートの作成支援、決算説明会の企画・運営、投資家やアナリストとのコミュニケーションサポート、パーセプションスタディの実施、ESG情報の開示支援などがあります。特に、専門知識やリソースが不足しがちな中小企業にとっては重要なパートナーです。また、デジタル技術を活用したオンライン配信やIRウェブサイトの構築支援も行います。この支援会社の活用は、企業の透明性を高め、投資家との効果的な対話を実現するために有効な手段とされています。

  • アニュアルレポート アニュアルレポート

    企業が株主や投資家を対象に毎年発行する報告書で、事業活動や財務状況、経営方針を総合的にまとめた資料です。通常、決算後に作成され、収益や損益、資産状況などの財務データだけでなく、事業戦略や社会的責任（CSR）、ESGへの取り組みも記載されます。これは、投資家に企業の成長性や透明性をアピールする重要なツールであり、長期的な信頼関係を築くために役立ちます。読みやすさやデザインにも工夫が施され、企業ブランドの向上にも寄与します。

  • インベスターズ・ガイド インベスターズガイド

    企業が株主や潜在的な投資家向けに自主的に作成する資料で、投資判断に役立つ情報を分かりやすくまとめたものです。事実関係（ファクト）を客観的に説明することからファクトブックとも呼ばれています。企業の事業概要、業績ハイライト、財務情報、成長戦略、配当方針などがコンパクトに記載されています。主にIR活動の一環として提供され、新規投資家の関心を引き付けるため、簡潔で視覚的に工夫された内容が特徴です。また、デジタル化が進む中、PDFやウェブ版として公開されることも一般的です。これは、企業の透明性を高め、投資家との信頼関係を構築する重要なツールの一つです。

  • カストディアン カストディアン

    金融商品の保管や管理を専門に行う機関や企業を指します。主に株式や債券などの有価証券の保管、権利の行使、配当金や利息の受け取り、取引の決済業務などを代行します。投資家に代わり、資産の安全管理を行う役割を担い、特に機関投資家や大口投資家にとって重要な存在です。また、海外投資においては、現地の法規制や市場慣行に対応するためのサポートも提供します。この利用は、投資家が資産を効率的かつ安全に運用するために不可欠であり、金融市場の信頼性や透明性を支える基盤としても重要な役割を果たします。

  • 株主価値 カブヌシカチ

    企業が将来生み出すキャッシュフローの現在価値から負債を差し引いた、株主に帰属する価値のことです。企業評価の伝統的な指標として売上高や経常利益がありましたが、近年は株主重視の観点から株主価値の最大化が重視されています。株主価値は配当やキャピタルゲインを通じて実現され、適切な投資によるキャッシュフローの増加が株主価値を向上させます。

  • 決算説明会 ケッサンセツメイカイ

    企業が投資家やアナリストに向けて、決算内容や経営状況、今後の戦略を説明するために開催する会合です。主に四半期や年度ごとに実施され、経営陣が売上高や利益、財務状況などの決算データを詳しく報告します。また、質疑応答の時間を通じて参加者の疑問や関心に直接対応することで、企業の透明性と信頼性を高めることを目的としています。近年では、オンライン配信を活用した説明会も増えており、より多くの利害関係者に情報を提供する機会が広がっています。

  • ステークホルダー ステークホルダー

    企業活動に直接的または間接的に影響を受ける、または影響を与える利害関係者を指します。具体的には、株主や投資家、顧客、従業員、取引先、地域社会、政府機関、環境保護団体などがあげられます。ステークホルダーとの関係を良好に保つことは、企業の持続可能な成長や信頼の確保に不可欠です。近年では、ESG（環境・社会・ガバナンス）の観点から、多様な期待に応える経営が求められています。企業は、彼らの意見や要望を積極的に取り入れ、公平で透明性の高いコミュニケーションを通じて、社会的責任を果たすことが重要です。

  • スモールミーティング スモールミーティング

    投資家向けのイベントであり、新規株式公開（IPO）や株式の追加発行に先立って、企業の経営陣が少数の機関投資家やアナリストと個別に会うことを指します。このミーティングの主な目的は、より詳細な情報交換と直接的なコミュニケーションを通じて、企業の戦略や財務状況、市場展望などを深く理解してもらうことです。スモールミーティングは、参加者が限られることから、投資家が具体的な疑問に対して直接経営陣から回答を得られる機会を提供し、投資判断の精度を向上させる効果が期待されます。この形式のミーティングは、特に投資家との信頼関係を築き、長期的な投資を促進する上で重要な役割を果たします。

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  • セグメント情報 セグメントジョウホウ

    企業の事業活動を一定の基準で分けた区分（セグメント）ごとに収益や利益、資産などの業績情報を開示するものです。企業の各事業や地域別の収益構造やパフォーマンスを明確にし、投資家が企業の実態をより深く理解するために提供されます。セグメントは、事業内容や地域、顧客層などを基準に分けられ、会計基準（IFRSや日本基準など）に従って作成され、主に上場企業の有価証券報告書に記載されます。日本では、2010年4月1日以降開始の事業年度より「インダストリー・アプローチ」から「マネジメント・アプローチ」へ切り替えが行われました。この情報の開示は、投資家が企業の強みやリスクを評価しやすくするだけでなく、企業が効率的な経営判断を行うためにも活用されます。

  • 大量保有報告書 タイリョウホユウホウコクショ

    金融商品取引法に基づき、株式を一定割合以上保有する投資家がその状況を開示するために提出する書類です。具体的には、上場企業の発行済株式の5％以上を保有した場合に提出が義務付けられます。この報告書には、保有者の氏名や保有割合、取得目的、資金調達方法などが記載されます。この報告書の開示は、投資家間での公平な情報提供を目的としており、株式市場の透明性を高める役割を果たします。また、保有割合に変動があった場合も報告が必要で、これにより市場参加者は大口投資家の動向を把握することが可能となります。

  • ディスクロージャー ディスクロージャー

    企業が投資家や利害関係者に対して経営や財務に関する重要な情報を公開する活動のことです。法定開示と任意開示に分かれ、法定開示では有価証券報告書や決算短信などの公開が義務付けられ、任意開示では企業独自の判断でプレスリリースやIR資料などを発信します。これは、投資家に正確でタイムリーな情報を提供することで企業の透明性を高め、信頼を構築するために不可欠です。また、近年ではESG（環境・社会・ガバナンス）関連情報の開示も重視され、企業価値の向上や長期的な投資家の支持を得るための重要な役割を担っています。

  • パーセプションスタディ パーセプションスタディ

    投資家やアナリストが企業やその経営方針、業績、将来性についてどのように評価しているかを調査・分析する活動を指します。この調査では、企業の強みや弱み、市場での位置付け、改善が必要なポイントを把握することが目的で、第三者機関を通じてヒアリングを行い、投資家の意見や期待を収集します。その結果は、IR戦略の改善やコミュニケーションの強化に活用され、企業価値の向上や市場との信頼関係構築につながります。企業が自らの評価を客観的に理解し、的確な意思決定を行うための重要なツールです。

  • 非財務情報 ヒザイムジョウホウ

    財務データ以外の企業活動や価値創造に関する情報を指します。具体的には、ESG（環境・社会・ガバナンス）への取り組み、知的財産情報（特許、ノウハウ、ネットワーク、ブランドなど目に見えない無形資産等）、企業のビジョンや戦略、従業員の多様性や働き方改革、サステナビリティ活動などがあります。近年、投資家は財務情報だけでなく、企業の長期的な成長性やリスク管理能力を評価するために非財務情報を重視する傾向が高まっています。この情報は、統合報告書やCSRレポートなどで開示されることが一般的です。この適切な開示は、企業の信頼性向上や投資家との関係強化に寄与し、持続可能な経営の実現において重要な役割を果たします。

  • ファクトブック ファクトブック

    企業が株主や投資家向けに提供する資料で、企業の基本情報や財務データ、事業概要などを網羅的かつ簡潔にまとめたものです。過去の業績データや主要指標、事業セグメントごとの詳細、株式関連情報などが含まれ、投資家が企業の現状や業績を迅速に把握できるよう設計されています。通常、IR活動の一環として作成され、決算説明会や投資家との対話の際に活用されます。これは、企業の透明性を高めるとともに、正確で信頼性の高い情報提供を通じて投資家の理解を深め、関係強化に寄与する重要なツールの一つです。

  • ラージミーティング ラージミーティング

    企業が主に機関投資家やアナリストを対象に開催する大規模な説明会のことを指します。通常、決算発表や経営方針の説明、新規事業の発表など重要なトピックに合わせて開催されます。この場では、経営陣が直接プレゼンテーションを行い、企業の現状や将来の見通しを詳しく説明します。さらに、質疑応答の時間を設けることで、参加者との双方向のコミュニケーションを図ることが一般的です。これは、企業の透明性を高め、投資家に対する信頼を強化する機会として重要であり、同時に企業のブランドや存在感を市場にアピールする場でもあります。